アキネイター銀妙

「実は、銀さんのことが本当に好きなのか、まだよく分からないんです」
「はァ!? いやいやいや! ちょっと待て。どういうことだ。俺ら付き合って結構経つよな?」
「付き合って一年くらい経ちますね」
「なのにまだ分かってなかったんかいィィ! 好きだから付き合ってんじゃなかったのか俺たち。勘違いしてた俺が馬鹿みたいなんだけど。どーしてくれんだオイ」
「違うんです。銀さんは悪くないの。これはわたしの問題なんです」
「というと?」
「今までに誰ともお付き合いというものをしたことがなくて、自分の気持ちがよく分からないんです。たしかに銀さんといると、胸がこうキュッと締めつけられて苦しくなりますけど、それだけなんです。これが好きってことなんでしょうか?」
「……よくもまあそんな殺し目的を平気な面して言えるもんだ。それで自覚がないって言うんだから逆にすげーな。いっそ感心を超えてこっちが死ぬほど恥ずかしくなってきたもん」
「え?」
「まだ気づかねーの? 天然垂らしにも程があんだろ。まあいいや、じゃあ今から俺が簡単な質問するからお前ちょっと答えてみろ。ハイが多かったら、」
「わたしが銀さんを好きってことの証明になるんですか?」
「そういうこった。ひとつめの質問、俺を見てどきどきする?」
「はい」
「俺をどうにかしたい?」
「あんまり想像できないです。いいえ」
「逆に、俺にどうにかされたい?」
「どちらかというと、そうかもしれない」
「いますぐ抱きしめてほしい?」
「……えっと」
「俺のものになりたい?」
「誘導尋問は、」

 いけないですよと最後まで言えたら良かった。静寂が下りたのはほんの一瞬、離れていった唇の温度がすぐに名残惜しくなる。そんな私の思いを見透かすように、銀さんが低く耳元で囁いた。

「こーゆーの、もっとシたい?」

 シたいんならそれはもうお妙は俺を好きってことだろ、と唇が触れるか触れないかの距離で言われたら、もう、頷くしかなかった。



#原作
アキネイター銀妙 '20191124
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